カスタマーサポート業務をしていると、「カスタマーサポート業務をもっと効率化させたい」「少ない人数でカスタマーサポート業務を行いたい」と感じることがあるかもしれません。
さらに、現場作業員が多く働く業務では、「現場作業員の業務効率化を進めたい」「若手の育成を効率的に行いたい」と願うこともあるでしょう。
上記の課題を解決するのに役立つのが遠隔サポートツールです。最新の遠隔サポートツールは、単にビデオ会議によるサポートができるだけではありません。そもそもサポートを求めなくても済むように「自己解決を支援する機能」も備わっています。
今回は、最新の遠隔サポートツールの特徴や、失敗しない選び方を紹介します。遠隔サポートツールのおすすめ製品7つを紹介するので参考にしてください。
ー当記事でわかることー
- 顧客対応で使える遠隔サポートツールとは何か
- 社内で使える遠隔サポートツールとは何か
- 遠隔サポートだけでなく、現場の自己解決率を向上させられるツールはどれか
- ツール選定時に失敗しないためのポイント
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遠隔サポートツールとは
遠隔サポートツールとは、PC・タブレット・スマートフォン・スマートグラス・ARヘッドセットなどの端末を使って、複数の人が現場の状況を共有し、遠隔サポートを実施できるツールです。
主な機能
最新の遠隔サポートツールに搭載されている機能は以下の通りです。
- 画面共有―現場の状況をセッションに参加している皆が共有できる
- 描画―相手の画面に矢印や線を描画できる。最新ツールは直感的に理解できるARアノテーションが可能
- 録画・画面キャプチャ―共有画面を録画・キャプチャ記録できる。最新ツールはCRM連携し、CRM上に記録できる
遠隔サポートツールの使い方
カスタマーサポート業務では、遠隔サポートツールを使ってお客さまのお困りごとを解決していきます。たとえば、WIFIルーターの不具合を問い合わせてきた方に対し、オペレーターが相手の状況を画面で確認しながらサポートしていけます。
遠隔サポートツールは、現場で働く作業員をサポートするためにも使用できます。派遣されたスタッフだけでは問題を解決できないことがあります。その際、遠隔サポートツールを使用すれば、ベテラン技術者が現場に行かなくてもすぐに適切なサポートを遠隔で実施できます。
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失敗しない遠隔サポートツールの選び方
失敗しない遠隔サポートツールを選ぶために大切なのは、「自社業務にぴったりのツールを選ぶ」ということだけではありません。
「導入が簡単にできるか」「現場で直感的に使える仕様になっているか」「長く使っていけるような拡張性があるか」という点も考えなければなりません。
上記の点を考えるのに役立つチェックポイントを6つ考えてみましょう。
1.「顧客対応向け・作業支援向け」のどっち?
遠隔サポートツールによっては、カスタマーサポート業務などの「顧客対応」に特化している製品があります。反対に、「現場作業」をサポートするだけのツールもあります。
最近は両方に対応している製品が徐々に増えてきています。
「顧客対応」と「作業支援」の両方に対応している製品のほうが拡張性が高く、長期にわたり使用していけるでしょう。複数の部署で同じツールを使って、会社全体として作業効率を高めていくことも可能になります。
2.「遠隔サポート特化型・プラットフォーム型」のどっち?
遠隔サポートツールには、「遠隔サポート特化型」と「プラットフォーム型」があります。
「遠隔サポート特化型」ー画面共有機能に特化
「プラットフォーム型」ー画面共有機能以外にも、自己解決を支援する機能が備わっている
最新の「プラットフォーム型」遠隔サポートツールには、紙のマニュアルをデジタル化し、AR/2D/3D/動画のかたちで画面に映し出す機能が搭載されています(写真参照)。
「遠隔サポートの実施だけでなく、現場の自己解決率を向上させたい」と考えているのであれば、「プラットフォーム型」を選びましょう。
3. アノテーションが利用できるか
遠隔サポートツールは、ビデオ会議システムとは異なっています。描画機能があるので、相手の画面に線・図形・テキストを記入し、正確で的確なサポートをすることが可能です。
最新ツールはARを活用した描画ができます。ARアノテーションが固定されるため、今まで以上に正確でわかりやすいサポートができます。
4. インストール不要か
画面を共有する際に、特定のアプリをインストールしなければいけないのか、それとも招待リンクを送るだけでよいのか、という点は使い勝手に大きく影響します。
アプリをインストールせず、Webブラウザ上で使えるツールも便利です。
5. CRM連携ができるか
CRM連携ができる遠隔サポートツールは、顧客満足度と従業員満足度の両方を向上させられます。遠隔サポートツールとCRMを連携させれば、サポート履歴をCRMに保存しておけます。
もしCRM上にお客さまのサポート履歴が保存されているのであれば、お客さまは何回問い合わせたとしても不必要な説明をしなくてすみます。すぐ自分が求めているサポートを受けられます。
オペレーターもお客さまの対応履歴をCRMですぐに確認し、CRMから遠隔サポートツールを起動することができます。いくつもアプリやタブを行き来する必要がないのでストレスなくサポート業務に集中できるのです。
6. セッション数に制限があるか
遠隔サポートツールにセッション数の制限が設けられているかを確認しましょう。同時ユーザー数、ゲストセッション数、デバイス制限数を確認してください。
セッション数が増えるごとに課金されるツールもあるので注意しましょう。自社の業務で必要なセッション数を満たすには、コストがどれくらいかかるか検討してください。
遠隔サポートツールの活用シーン
遠隔サポートツールは、以下のシーンで活用されています。
- カスタマーサポート
- 現場作業員のサポート
- 社内研修
遠隔サポートツールは、カスタマーサポートや現場作業員のサポートだけでなく、社内研修でも活用されています。
たとえば研修の一環で、現場作業のOJTを実施するとします。遠隔サポートツールがあれば、新人スタッフとベテランスタッフが同じ場所にいる必要はありません。画面共有をすることによって、いつでもどこでもOJTを実施していけます。
プラットフォーム型の遠隔サポートツールであれば、マニュアルがデジタル化されていますので、自習を効果的に行っていけます(写真参照)。
手順書もデジタル化できます。新人スタッフはスマートフォンやタブレットを使って、どこにいてもすぐに正確な手順を確認していけます。
遠隔サポートツール7製品を比較
業界内で評価されている数ある遠隔サポートツールの中から、厳選した7つの製品を紹介します。各製品ごとに以下のポイントを比較していくので参考にしてください。
- 特徴
- 機能
- 導入事例
- こんな企業におすすめ
- 製品サイト
- 製品の動画
1. CareAR
CareARは、最新テクノロジーを使って遠隔サポートを効率化させる製品です。ARやAIといった最新機能を直感的に使用していけるのが特徴です。3Dモデルを使った自己解決支援機能も充実しています。
■製品タイプ
・顧客対応向け・作業支援向け
・プラットフォーム型
■特徴
・招待リンクで起動ができる
・同時ユーザー数、ゲストユーザー数、デバイス数は無制限
・ServiceNow、SalesforceとCRM連携可能
・データ保存地域で日本リージョンが選べる
■機能
・3Dトラッキングによる物体の空間認識と、高精度の3Dアノテーションが可能
・アノテーションを付加した画像を作業記録として管理できる
・低速インターネットでも使用できる自動低ビットレート調整機能あり
■導入事例
ANAエンジンテクニクス株式会社、Xeroxデータセンター、Service IT Direct社、大手物流・輸送業者
▶参考情報:https://carear.cba-japan.com/
■こんな企業におすすめ
・遠隔サポートツールで、顧客満足度と従業員満足度を同時に向上させたい
・一回の導入で長く運用していきたい
・人材不足に対処するため、若手育成の効率化・ベテラン技術者の有効活用を推し進めたい
■利用者のコメント
・手順書がデジタル化され、どの手順にどれくらい時間がかかるかわかるのが便利
・UIが直感的で使いやすい
・思った以上にARアノテーションが効果的
・技術スタッフだけでなく、バックオフィス、管理職、ベテラン作業者などセッション数を気にせず一緒に作業できるのが良い
・エンドユーザー側に料金が発生しないのが嬉しい
■製品サイト
■製品の動画
2. TeamViewer Tensor
TeamViewer Tensorは、安全で信頼性に優れている遠隔サポートツールです。
■製品タイプ
・顧客対応向け・作業支援向け
・遠隔サポート特化型
■特徴
・招待リンクで起動ができる
・同時ユーザー数、ゲストユーザー数、デバイス数はプランごとに異なる
・エンタープライズ企業の危機を保護する高いセキュリティ機能
■機能
・条件付きアクセス
・シングルサインオン
・ライセンス共有を簡易化するマルチテナント
■導入事例
コニカミノルタ株式会社、セキュリティ監視センター「JSOC」など
▶参考情報:https://www.teamviewer.com/ja/success-stories/
■こんな企業におすすめ
・エンタープライズ企業向けの製品を使いたい
・多数のCRMと連携できる製品を探している
・対応言語数は多ければ多いほど良い
■製品サイト
https://www.teamviewer.com/ja/products/tensor/
■製品の動画
3. NTT XR Real Support
NTT XR Real Supportは、「技術継承」「人手不足」「安全確保」といった課題をMR技術で解決する遠隔サポートツールです。。
■製品タイプ
・作業支援向け
・遠隔サポート特化型
■特徴
・空間ポインティングで直感的な指示ができる
・3Dフローを表示することで正確な手順の指示が可能
・1ユーザー1アカウント制
■機能
・6名までの同時通話機能
・アプリで完結するマニュアルを作成・編集する機能
・サポート履歴を保存できる証跡機能
■こんな企業におすすめ
・遠隔サポートに特化したシンプルな製品が良い
・安価にスタートしたい
・少人数でしか使用しない
■製品サイト
https://www.nttqonoq.com/realsupport/
■製品の動画
4. VistaFinder Mx
VistaFinder Mxは、遠隔地からスマートフォンなどで撮影した映像を安全・高品質に伝送する遠隔サポートツールです。
■製品タイプ
・作業支援向け
・遠隔サポート特化型
■特徴
・インターネットにアクセスできない環境で利用可能
・不安定なネット速度でも安定した映像の伝送を実現
・録画ファイルの保存・送信ができる
■機能
・4K映像の伝送
・Android搭載のスマートグラスに対応
・ARによる遠隔指示機能
■導入事例
株式会社NIPPO、非破壊検査株式会社など
▶参考情報:https://www.kddi-research.jp/products/vistafinder/usecase.html
■こんな企業におすすめ
・オンプレミスで使いたい
・映像伝送が得意な製品を探している
・4Kの解像度で遠隔サポートしたい
■製品サイト
https://www.kddi-research.jp/products/vistafinder.html
■製品の動画
5. Atheer
Atheerは、現場の最前線で働く作業者がより速く正確に、そして安全に作業するための遠隔サポートツールです。
■製品タイプ
・作業支援向け
・プラットフォーム型
■特徴
・既存の業務プロセスを容易にデジタル化・ペーパーレス化し、現場の作業者に展開
・デスクトップのリモート操作も含めた現場作業者への遠隔支援
・必要なコンテンツを必要なタイミングで現場チーム内で共有
■機能
・ノーコードでペーパーレス化する操作機能
・シングルサインオン
・各種APIを活用しサードパーティ製のシステムと連携
■導入事例
化学品メーカー、重機メーカーなど
▶参考情報:https://www.ctc-g.co.jp/solutions/atheer/
■こんな企業におすすめ
・1ライセンスから導入したい
・主に工場での使用が得意な製品を探している
・対応言語数は多ければ多いほど良い
■製品サイト
https://www.ctc-g.co.jp/solutions/atheer/
■製品の動画
6. LIBERESTREAM「リモートエキスパートアシスタンス」
LIBERESTREAM「リモートエキスパートアシスタンス」は、拡張現実(AR)を活用して現場のトラブルを解決する遠隔サポートツールです。
■製品タイプ
・作業支援向け
・プラットフォーム型
■特徴
・特定のコンテンツを現場でIoTプラットフォームから見える化
・共有画面でテキスト・テレストレーションといったARツールを使って共同作業が可能
・最低30 kbpsという超低帯域幅の状況でも動作
■機能
・ライブ翻訳機能
・照明調整機能
・録画または静止画像を撮影しナレッジベースを作成・維持する機能
■導入事例
テスコ社、ルノーとラックス社など
▶参考情報:https://librestream.com/ja/%e3%83%a6%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%82%b1%e3%83%bc%e3%82%b9/
■こんな企業におすすめ
・低速インターネットで使いたい
・リモートコントロール機能が充実している製品が必要
・バックオフィスシステムと統合させたい
■製品サイト
■製品の動画
7. Vuforia Chalk
Vuforia Chalkは、技術者と専門家を結びつける産業用拡張現実 (IAR) を活用した遠隔サポートツールです。
■製品タイプ
・作業支援向け
・プラットフォーム型
■特徴
・作業員の効率化を図る産業用拡張現実 (IAR) を採用
・シンプルで直感的に操作できるアプリを用意
・使用される映像・オーディオはすべて暗号化
■機能
・産業用拡張現実 (IAR)
・3D環境マッピングによるデジタルアノテーション
・コンピュータービジョン
■導入事例
トヨタ自動車、Howden社など
▶参考情報:https://www.ptc.com/ja/case-studies/toyota-selects-vuforia-chalk
■こんな企業におすすめ
・産業に特化したAR技術が必要
・オンサイト作業を減らしたい
・安全手順を遠隔指示で徹底させたい
■製品サイト
https://www.ptc.com/ja/products/vuforia/vuforia-chalk
■製品の動画
ZoomやTeamsでも良いのではないか
「画像を共有しながら作業するだけならZoomやTeamsでも十分ではないか」と思われるかもしれません。もちろん単純にビデオ通話をしながら作業をするだけであれば、ZoomやTeamsで事足ります。
しかし最新の遠隔支援サポートツールは、ビデオ通話ツール以上のメリットをもたらします。たとえば以下のようなメリットです。
- アノテーションを使用することによる問題解決時間の短縮
- 派遣スタッフの出動回数の削減
- 派遣スタッフの人数を削減
- 顧客や従業員の自己解決率の向上
- 顧客満足度と従業員満足度の向上
遠隔サポートツールはZoomやTeamsと違って、アノテーションを使いながら的確に「ココ・ソコ」をお互いが伝えられます。カメラが動いてもアノテーションがずれないので正確な案内が可能です。
プラットフォーム型であれば、自己解決を支援する機能があるので、遠隔サポートの要請率を下げられます。
最後に
最新の遠隔サポートツールには、「顧客対応向け・作業支援向け」があったり「遠隔サポート特化型・プラットフォーム型」があったりします。
「一度の導入でできるだけ長く使用していきたい」「部署をまたがって業務効率化を一元化して実現したい」と思うのであれば、「プラットフォーム型」で、「顧客対応向け・作業支援向け」の両方に対応している製品を選んでください。
「プラットフォーム型のほうが良いけど、数ある機能を使いこなせるか心配」と感じるときは、ひとつの機能だけをまず最初に導入して徐々に慣れていくスモールスタートを試してみましょう。
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