ANAエンジンテクニクス、CareARで
整備士とエンジニアの作業効率化を推進

ANAエンジンテクニクス株式会社は、ANAグループの一員として、航空機用ジェットエンジンのオーバーホールと部品修理を専門としています。2011年に設立され、エンジンの分解から組立、地上性能テストまで一貫した工程を担当し、高品質なエンジン整備を提供している企業です。世界トップレベルの技術力を持つ整備士たちが、安全で快適なフライトを支えるために日々努力しています。 

導入前の課題

エンジン整備の現場と社内の移動や、海外拠点への移動を減らして、業務をより効率化させたかった

従来のビデオ会議ツールでは、確認すべき箇所を正確に伝えることや、調整すべき箇所を指示することが難しかった

設備不具合時に、設備メーカーとのやり取りに時間がかかり復旧に時間を要していた

導入後の効果

整備作業の工数改善

整備の現場と社内との移動時間を削減できた

整備作業の品質向上

アノテーション機能やレーザーポインター機能を使って、意思伝達をスムーズにできるようになった

設備不具合時の早期復旧

設備メーカーとリアルタイムで情報共有ができ、スピーディーに設備が再稼働できるようになった

具体的には、どのような課題がありましたか。

私たちは、エンジン整備作業の品質向上や、工数削減について、常に取り組んできました。

例えば、現場で作業を実施している整備士が、整備中に問題箇所を発見したとします。その際、社内にいるスタッフと情報を共有する必要があります。これまではスタッフが、現場へ出向く必要が多々ありました。

航空機のエンジン整備は高い専門性が必要とされます。

突発的なエンジンに関する整備作業が発生した場合には、迅速な問題解決のためより専門的な整備士が現地に出向いて作業支援を行う必要がありました。つまり、以前は対面でのコミュニケーションが基本でした。コロナ禍をきっかけにスタッフ部門のリモートコミュニケーションが急速に進みました。コミュニケーション手段により、対面からオンライン会議ツールやチャットを併用する形へ変化してきました。

もちろん便利にはなったのですが、非対面では「身振りや指差しなどによる視覚的なコミュニケーションが取りづらい」という課題がありました。対面のコミュニケーションと比較すると、うまく情報伝達をすることが難しい点が問題でした。

CareARの導入で感じた効果について教えてください

ANAエンジンテクニクスのメンテナンスにおいて、CareARを使用し遠隔サポートを受けている様子

CareARを導入してからは、社内のスタッフが現場へ毎回行くことなく、問題箇所の情報共有ができるようになりました。同時に多人数で状況共有を行えるので、品質向上と工数改善につながりました。

アノテーション機能やレーザーポインター機能を使ってみると、これが想像以上に便利でした。指差しをしたい箇所を相手に簡単に伝えられる機能なのですが、これまでのオンライン会議ツールでは難しかった視覚的なコミュニケーションが行えるようになりました。導入によって整備の品質向上に役立っていると実感しています。

CareAR導入の結果、以前は資格者(エンジンに対し専門的な知識・技能を有する整備士)を数日掛けて海外拠点へ派遣する必要があった案件においても、オンライン対応ができるようになっています。CareARの導入により、年間で約400工数の削減ができたと試算しています。

導入の決め手は何でしたか

ANAグループの整備部門では、以前から一人ひとりにiPadが配布されています。すでに社内には「iPadを活用しよう」という雰囲気がありました。CareAR Assistは、iPadにアプリをインストールするだけで、全ての機能が誰でも簡単に利用できます。「皆がすぐに手持ちのiPadでCareARが使えること」、「CareARでipadを活用する幅が広がる」といったことが導入を決定する大きなポイントとなりました。

CareARが「使いやすい」と思う機能は何ですか

セッションの参加者が、双方向から利用できるアノテーション機能や、レーザーポインターの使いやすさが気に入っています。カメラが動いても、アノテーションが固定されているので使い勝手が良いです。

アプリのデザインもシンプルで使いやすいため、初めてでも直感的に操作ができます。ベテラン技術者でも使いやすいところが評価されています。

さらに、ZoomやGoogle Meetといった会議用ツールと比べ、CareARというフィールドワーク専用のツールは使い勝手の良さが異なります。

例えば、CareARではセッションを開始すると同時に、すぐに端末の外カメラで現場を映し出してくれます。カメラの設定確認からスタートしないですし、いちいちカメラを切り替える手間がありません。

また、会議用ツールと違って、最初に自分の顔が画面に大きく映し出されることがありません。セッションを始めたときから自分の画面には、相手の外カメラの映像が映し出されます。これらは、一見すると小さなことですが、スピードを重視する現場作業ではとても重要なことなのです。

CareARの「便利だ」と感じるポイントについて教えてください

専用アプリがなくてもWebブラウザだけでセッションへ参加できる機能が便利です。とくに自分以外の方と連携する際に、相手側に特別な環境を用意してもらわなくてもよいのは助かります。

ユーザー数無制限でコミュニケーションができる機能も便利です。実は、飛行機のエンジン整備には関係する部署が多いという特徴があります。

例えば、一つ問題が生じると、フライトオペレーション、生産管理部、技術担当者、現場の関係者が同時にミーティングをしなければいけなくなります。もしユーザー数に制限があれば、誰を招待するか、ユーザー数を気にして事前に細かく調整しなければなりません。しかしCareARであれば、キーパーソンにだけミーティングのURLを渡しておき、各部署の必要な担当者へ共有してもらえば良いだけです。非常に情報共有がしやすいと感じます。

緊急時にCareARが役立つことはありますか

エンジンを整備するための設備に不具合が発生した際、早期復旧するために役立つことがあります。

これまでは非破壊検査装置や、修理に用いる特殊装置に不具合が発生したとき、整備士自身が設備マニュアルを参照しながら設備の修復を図っていました。どうしてもマニュアルを使った修復ができなかった場合には、メーカーへ問い合わせなければいけません。そうすると作業工程が止まったり、整備スケジュールに影響が出てしまったりしました。

しかし、CareARを利用して、メーカーへすぐに状況を伝えられます。羽田のエンジン整備工場に勤務している設備管理担当者と、設備メーカーの技術者をCareARで接続して、設備不具合の発生状況を共有しながらトラブルシュートを進めていけます。結果、早期の設備修復や機械の再稼働に繋がりました。さらに、設備メーカー担当者の出張整備を減らすこともできました。

なにか最近の早期復旧に関する事例はありますか

先日、数メートルもある大型設備の機械加工機が故障しました。その際、欧州の設備メーカーへ問い合わせるためにCareARを使ってみました。

トラブルシュートのために、CareARを使って欧州の設備メーカーと日本オフィスのスタッフ、そして現場スタッフの3拠点でミーティングを行いました。カメラの映像を通して、機械の状態を設備メーカーのエンジニアに直接伝えることができました。カメラを機械の中に入れて様子を見せたり、エンジニアの指示に従いながら機械を動かす様子を見せたりしました。リアルタイムでやり取りができるため、速やかに問題の特定と解決ができました。設備メーカーのエンジニアも「一緒に見られるのはとても良いね」と高く評価していました。

海外とのミーティングでは、時差があるのでお互いに都合の良い時間を設定するのが大変です。しかし、CareARを使うと一回のミーティングで正確な状況を共有でき、問題解決までの時間が短くなるという点も助かっています。映像とアノテーションを使って、視覚的にコミュニケーションが取れるのも、言語の壁を小さくする点で役立っています。

今後の展望をお聞かせください

CareARを使って、現場のスタッフとオフィスにいるスタッフの情報共有をより活性化させていきたいです。グループ企業にも良さを伝えていきたいです。使ってみて、初めて分かる良さがたくさんありました。今後も、問題が発生した時にスムーズに協力し、品質の高い整備に取り組めるように努めたいと思います。

導入事例

ANAETC CareARを利用している様子

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