年々悪化の一途を辿る地球温暖化。夏に40℃や50℃を超える国や地域は増加しており、確実に私たちの生活を脅かす問題となっています。如実に現れている地球温暖化の影響を受けて、各国での国を上げた対策にも熱が入ります。
この記事では、環境問題に対する取り組みの一つとして、GXに注目しましょう。最新のARソリューション「CareAR」がどのようにGXへ役立つのかをご説明します。
GXとは
2022年頃から耳にする機会が増えた「GX」。何を意味し、何を目指したものでしょうか。
GXとは、Green Transformation(グリーントランスフォーメーション)の略称で、「温室効果ガスを発生させる化石燃料をなるべく使用せず、クリーンエネルギー中心の社会への転換を目指す」取り組みを指します。
日本においては、2050年までにカーボンニュートラルを実現すると宣言しています。2022年には「GX実行会議」を立ち上げ、2023年には経済産業省により「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定されました。
比較的新しく始まった取り組みですが、国内での取り組みは年々加速していると言えます。その潮流を受けて、多くの国内企業がCO2排出量0を目指して着実に歩を進めています。
製造業におけるGX
ここからは、業界を絞ってGXについて検討してみましょう。環境省による「2021年度(令和3年度)温室効果ガス排出量(確報値)について」を見ると、鉄鋼業・化学工業・機械製造業の3業種が、CO2の全体排出量の約65%を占めています。製造業がGXにおいて大きな影響力をもっていることは明白です。
では、「製造業におけるGX」にフォーカスを当てていきましょう。
「ものづくり白書 2023」を見ると、「欧州バッテリー規則案」をはじめとした、脱炭素に関する世界的市場ルールの形成が進んでおり、日本の製造業も世界的ルールに対応していくべきであることが指摘されています。
同白書の調査結果を見ていくと、すでに国内大企業の約9割、中小企業の約5割が脱炭素へ本格的に取り組んでいます。これを見ると、「業界として足並みを揃えてGXに取り組めている。良いペース感とムーブメントだ」と思われるかもしれません。
しかし、GXへ取り組んでいる企業の約3割は、同アンケートで「脱炭素の取り組みによるメリットを感じていない/得る見込みがない」と回答しています。
どういうことでしょうか。GXへ取り組む企業は、以下の要素によってのみGX戦略に踏み切っているかもしれません。
- 業界内での足並み
- 国内外で見られる脱炭素への潮流
- 環境問題
- 企業としてのブランドイメージ
コストよりも上記の要素を優先的に考慮・決定しているのです。
脱炭素の取り組みによりもたらされるメリットと、必要なコストとの関係が難しいことは明白です。企業の努力とは裏腹に、必ずしも「GXへ取り組む=利益が増す」という構図になるわけではないからです。
既出の「ものづくり白書2023」で、「GX戦略による利益がコストを上回るためには、DXや新ビジネスの開拓、現状のGXの取り組み方法について見直すことが必要」であると強調されています。GX成功のためには、アプローチの方法を見直したり調整したりする必要があります。
CareARによるGX戦略
ここからは、製造業のGX戦略において大きな効果を発揮するARソリューション「CareAR」について紹介します。なぜCareARがGXに効果的なのかを、データと共にご案内しますので、ぜひ自社の業務やデータと照合しながらご覧ください。
CareARは、コンピュータービジョンで現場作業やフィールドサービスのあり方を根底から変えるデジタルツイン型サービスプラットフォームです。
CareARを使うなら、現場作業を行うエンジニアやスタッフが、遠隔地の熟練技術者や専門家からアドバイス・指示を受けることができます。また、写真や動画以上に視覚的なマニュアル/作業手順書を作成できるので、専門知識や技術がないあるいは不足しているスタッフ/お客さまの自己解決率向上が見込めます。
では、CareARはGX戦略において具体的にどのような効果を発揮するのでしょうか。
燃料消費量とCO2排出量を削減
CareAR Assistによる遠隔支援や、CareAR Instructの圧倒的にビジュアライズされたデジタルマニュアルにより、スタッフが現場やお客さまのもとへ赴くシーンや訪問回数を劇的に削減できます。現場に行かずとも解決することが可能だからです。
派遣回数が削減されると、たとえばトラックの運行を最低でも1日1回は減らせます。これにより年間約4.500㎏のCO2排出量と、消費燃料の削減が見込めます。
廃棄物の削減
CareARによってより正確かつ効率的に作業を行えるため、最適かつ最低限の部品だけを使用して現場作業を行うことが可能です。初回修理率の向上も期待できます。結果として、大小を問わず廃棄物の大幅な削減に繋がります。
【CareARの実績】
最後に、CareARが具体的にどれだけの実績を持つのかご紹介します。CareARを導入した際に本当にGX戦略として有用で、高い利益を確実に生み出せるソリューションであるかどうかは大変重要です。
CareARは、2022年1月から2022年12月の約1年間で、以下のような実績を記録しています。
- 594,800kgの温室効果ガス排出量を回避
- 57,000件の現場派遣を回避
- リモートでの解決率が9%増加
CareARを提供するXerox社が2022年の1年間のROIを計測したところ、1万人のフィールドエンジニアによるCareARの使用で、約4億円のコストダウンが実現しました。
コストカットという目的を果たせるDXと、それによるGXの取り組みが完全に一致し、利益として大きなメリットを獲得している実例です。
【CareARの持続可能性】
CareARを提供するXerox社は、2023年12月にQuocircaより「サスティナビリティリーダー」として認定されています。「持続可能性」という分野において、世界的な牽引力を持っている企業および製品です。
最後に
製造業でのGXにおいて、CareARがどのような役割を果たし、具体的にどのような効果があるのかをご説明しました。新たな技術の台頭とともに、環境問題へのアプローチのニーズは日に日に高まりを見せています。
従業員だけでなく、人間全体のウェルビーイングを願うのであれば、一刻も早く効果とコスト的利益の高いGXへ取り組むべきです。
GX戦略にCareARを組み込んだ際のイメージを具体化したい方は、ぜひお気軽に弊社までご相談ください。